(蒼黒ネタあり・拓珠)
自分の心臓の音が伝わらないかと不安になるほどドキドキしながら、道を歩く。
繋いだ手の先から伝わる熱が嬉しいような、伝えている熱が恥ずかしいような思いを感じながら。
しかし、所詮は徒歩で通える通学圏内でしかなくて、気がつけば境内はすぐそこだった。
「…もう、着いちゃった」
繋いだ手の力を強めながら珠紀が呟けば、
「そうだな」
拓磨も苦笑しながら握り返す。
お互いに見合って、手を離すタイミングを伺う。
「また、明日ね」
そうして少し名残惜しそうに珠紀が手を外そうとした瞬間。
「珠紀」
拓磨がほどけかけた手を引き寄せた。
「言い忘れたから、1つだけ」
近づいた距離に、照れくさそうに視線を外しながら拓磨が呟く。
「今日の弁当はホントにうまかったから、また作ってくれ。タイヤキも付けてくれたらありがたい」
「また、食べてくれるの?」
「…お前の作ったやつなら、食うに決まってるだろ。むしろ2人だけの時に作ってくれ。真弘先輩達にやるのはおしいからよ」
視線を跳ね上げた珠紀とあわせるようにして、拓磨が微笑む。
その笑みに、珠紀は瞬時に顔を赤くする。
「やっぱり、雑誌は卒業だね」
「なんだ?突然」
突然の会話に不思議そうな拓磨に、珠紀は赤くなった顔を見られないように僅かに俯きながら、
「だって、それ100点満点の答えだから…」
嬉しさを隠せない様子で呟いた。
* back *
PSP版を買った記念に
本編はまだやってないのですが、FDとPSP特典の後日談をやりまして…ネタはその後日談より
あとカルトクイズも拓磨だけやりましたよ!!
ちなみに何故まだ本編をやってないのかと言うと、腰をすえてやるのに何故か気後れしているからです…
もう何回やったかわからないのに、妙に緊張してます…
あと、最初のまだ仲良くない拓磨の態度に傷つきたくないだけなのかもしれなかったり(笑)